Bonne Année 2024 !
あけましておめでとうございます。
昨年は多くの方にご愛顧いただきありがとうございました。
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さて今回は、新年を祝うフランスの伝統菓子「ガレット・デ・ロワ」についてご紹介します。
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エピファニー(Épiphanie)とは
フランスには、日本のような「お正月」という文化はありません。
ただ新年がやって来た!と感じる風習があり、その1つにキリストの祝祭「エピファニー(Epiphanie)」があります。
日本語では公現祭と呼ばれています。
エピファニーは東方からベツレヘムを訪れた三賢者(Rois mages)がイエスの「顕現」を祝った日で、かつては1月6日に定められていましたが、現在は1月2日から8日の間の主日(日曜日)の移動祝日になっています。
クリスマスの時期に飾られるクレッシュ(Crèche de Noël)は、その三賢者がたどり着くエピファニーまで飾られるのが一般的です。
現代では宗教色はほとんど失われており、多くのフランス人にとってエピファニーは「ガレット・デ・ロワの日」として新年をお祝いする楽しいイベントとして定着しています。
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フランス発祥の伝統菓子ガレット・デ・ロワ(Galette des Rois)
年が明けると、ブーランジュリーやパティスリー、スーパーの店頭にはガレット・デ・ロワが一斉に並びます。
ガレット・デ・ロワとは「王様のガレット」という意味で、王様とは「三賢者(Rois mages)」を指します。
もともと1月6日のエピファニー(公現祭)をお祝いして食べるお菓子でしたが、現在では1月6日に限らず、1月中であれば家族や親戚、友人たちとガレット・デ・ロワを囲んで賑やかにいただきます。
ガレット・デ・ロワの楽しみ方
ガレット・デ・ロワは、フランスの新年に欠かせない伝統菓子です。
バターの香るサクサクのフイユタージュ(パイ生地)にアーモンドクリームをたっぷりと詰めた贅沢な味わいのお菓子で、中にフェーヴ(Fève)と呼ばれる小さな陶器の人形が隠されています。
それに当たった人は、紙製の王冠をかぶり、その日の王様(あるいは女王様)になります。
そして王様(女王様)は、女王様(王様)を選び、皆から祝福を受け、一年を幸せに過ごせると言われています。
フェーヴ(Fève)
フェーヴはフランス語で「そら豆」という意味で、そら豆が胎児の形に似ていることから、古代より命のシンボルとされてきました。
結婚や農耕にまつわる祭りで振舞われ、ガレット・デ・ロワの中にもそら豆が入れられていました。
それまでのそら豆に代わって小さな陶磁器の人形になったのは、19世紀に入ってから。
工業化が始まり、陶磁器が流行した時期で、パリのパティスリーがガレット・デ・ロワに磁器の人形を入れたのが始まりと言われています。
昔はシンプルな白い磁器でキリスト教にまつわるものが主流でしたが、最近のフェーヴは趣向が凝らされていて、収集欲を掻き立てる様々なデザインのフェーヴが登場し、世界中に熱烈なコレクターがいるほどです。
ガレット・デ・ロワの分け方
フランスの家庭では、ガレット・デ・ロワを切り分けるとき、最年少の子供がテーブルの下に潜ります。
人数分に切り分けられたガレット・デ・ロワを誰にどの一切れを与えるのかは、テーブルの下に隠れている最年少の子供が決めます。
フェーヴが誰に当たるのか、このときばかりは子供だけでなく大人も童心に帰って楽しみます。
ガレット・デ・ロワの種類
ガレット・デ・ロワは一見シンプルで簡単そうに見えるお菓子ですが、菓子職人の技術を問われる焼き菓子です。
丸く表面が平らになるように焼くのが伝統で、フラットな美しいガレット・デ・ロワを焼き上げるのは至難の業です。
一般的にガレット・デ・ロワといえば、フイユタージュ(パイ生地)にアーモンドクリームをたっぷり入れて焼き上げたお菓子ですが、地方によって形状や作り方に違いがあります。
南フランスのガレット・デ・ロワ
南フランスでは発酵させたブリオッシュ生地が主流で、クーロンヌ(王冠)の形をしたリング状の「Brioche des rois(ブリオッシュ・デ・ロワ)」がよく食べられます。
砂糖漬けのフルーツとパールシュガーで飾られた見た目も華やかなお菓子です。
「Couronne des rois(クーロンヌ・デ・ロワ:王様の王冠)」や「Gâteau des rois(ガトー・デ・ロワ:王様のケーキ)」、「Royaume(ロワイヨム:王国)」など呼び方も色々あります。
オー・ド・フランス地域圏のガレット・デ・ロワ
フランス最北端にある街ダンケルクとその周辺の地域では、ブリオッシュ生地にCrème mousseline(クレーム・ムースリーヌ:カスタードクリームとバタークリームを合わせたもの)を挟み、表面に粉砂糖をたっぷりとまぶした「Galette des Rois Dunkerquoise(ガレット・デ・ロワ・ダンケルク)」が主流です。
ブルゴーニュ・フランシュ・コンテ地域圏のガレット・デ・ロワ
フランス東部のスイスと国境を接するブルゴーニュ・フランシュ・コンテ地域圏では、「Galette des Rois Franc-comtoise(ガレット・デ・ロワ・フラン・コントワーズ)」と呼ばれ、Fleur d’oranger(フルール・ドランジェ:オレンジの花のエッセンス)で香り付けされたシュー生地とカスタードクリームを混ぜて焼き上げたフラン(Flan)に近い味わいが特徴です。
ブルターニュ地域圏のガレット・デ・ロワ
ブルターニュ地域圏のガレット・デ・ロワは、「Galette des Rois Bretonne(ガレット・デ・ロワ・ブルトンヌ)」と呼ばれ、パイ生地もアーモンドクリームも一切使わず、ブルターニュの伝統菓子であるサブレを大きくしたようなものです。
ノルマンディー地域圏のガレット・デ・ロワ
ノルマンディー地域圏のガレット・デ・ロワは、「Nourolles de l’Épiphanie(ヌロール・ドゥ・レピファニー)」と呼ばれ、バターたっぷりのブリオッシュ生地でできています。
ガレット・デ・ロワの模様
ガレット・デ・ロワは、何と言っても表面の模様が特徴的なお菓子です。
お店によってそれぞれ個性があり、その美しさに心奪われます。
表面の模様をレイヤージュ(rayage)といい、4種類の伝統的な模様があります。
なぜこのモチーフが定着したのかは定かではありませんが、それぞれに意味が込められています。
- 月桂樹(葉っぱの模様)・・・勝利
- 太陽(渦巻き模様)・・・生命力
- 麦の穂(矢羽模様)・・・豊穣
- ひまわり(格子模様)・・・栄光
ガレット・デ・ロワの味
伝統的なアーモンドクリームやフランジパン(アーモンドクリームとカスタードクリームを合わせたもの)以外にも、フランスではさまざまな味のガレット・デ・ロワが楽しめます。
ヘーゼルナッツ、ピスタチオ、レモン、リンゴ、チョコレート、バニラ、紅茶など、お店によって見た目も味も違うので、食べ比べが楽しめます。
まとめ
フランスの新年に欠かせないガレット・デ・ロワは、遊び心たっぷりの期間限定のお菓子です。
この時期にフランスを訪れる方は、ぜひ本場の味を楽しんでみてくださいね!