今年もクリスマスの季節がやってきました♪
冬の風物詩であるシャンゼリゼ大通りのイリュミネーションが点灯し、街角のショーウィンドウはクリスマスの飾り付けがされ、一年の中でも最もパリが華やかに彩られる季節です。
パリに限らず、フランス各地でマルシェ・ド・ノエルが開かれ、クリスマス気分を盛り上げてくれます。
みなさんはフランスのクリスマスについてどのようなイメージをお持ちでしょうか?
コラム初回は、フランスのクリスマス(ノエル)について綴ります。
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フランス人のクリスマスの過ごし方
クリスマスは、フランス語で「Noël(ノエル)」といいます。
ラテン語の形容詞「Nātālis(誕生の)」が語源です。
マルシェ・ド・ノエル(クリスマスマーケット)やビュッシュ・ド・ノエル(薪の形をしたクリスマスケーキ)など、最近日本でも「ノエル」という言葉をよく耳にするようになりました。
フランス人にとってクリスマスは特別な日で、イエス・キリストの降誕を祝う日です。
日本ではクリスマスを恋人や友達と過ごし、年末年始は家族や親戚と過ごすのが一般的ですが、フランスはその逆。
過ごし方は家庭や宗教によって異なりますが、一般的には家族や親戚が集う一年で最も大切なイベントです。
敬虔なキリスト教徒の家庭は、伝統に従って夜中にミサに参加します。
最近では夜の早い時間帯にミサが行われるようになり、ミサに通わない家庭も増えてきています。
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フランスの伝統的なクリスマス料理
フランスの伝統的なクリスマス料理をご紹介します。
レヴェイヨン(Réveillon)
まず、クリスマス前日の夜に「レヴェイヨン(Réveillon)」があります。
レヴェイヨンとは「夜通しの祝宴」を意味し、クリスマス・イヴや大晦日に長い時間をかけて食事をいただきます。
余談ですが、クリスマス・イヴも大晦日もフランス語では同じ単語「Réveillon」を使います。
クリスマス・イヴを「Réveillon de Noël」、大晦日を「Réveillon de la Saint-Sylvestre」または「Réveillon du jour de l’An」と呼ぶこともあります。
キリスト生誕の前日であるクリスマスイブには、体を清めるという意味で肉料理を控え、魚料理を食べる習慣があります。
クリスマス(Noël)
フランス人にとって特別な日であるクリスマスの日は、テーブルコーディネートにも気合いが入ります。
普段使いの食器ではなく、クリスマス用のお皿やシルバーのカトラリーを出し、食卓を彩ります。
家族全員がおめかしして、普段あまり食卓に並ばない高級食材を使った豪華なフルコースを楽しみます。
アペリティフ(食前酒)
クリスマスのアペリティフ(食前酒)は、シャンパンまたはキールロワイヤル(Kir Royal)が定番です。
キールロワイヤルとは、シャンパンにクレーム・ド・カシス(Crème de Cassis)と呼ばれるカシスのリキュールを加えたお酒のこと。
子供用には「シャンポミー(Champomy)」と呼ばれるノンアルコールのジュースが用意されます。
前菜
まず前菜にフォアグラ、キャビア、スモークサーモン、エスカルゴ、生牡蠣、オマール、ホタテなどが並びます。
近年、反フォアグラの動きが世界中で広がっており、ガチョウやカモ(アヒル)の肝蔵を人工的に肥大させる強制給餌(ガヴァージュ)の生産方法が問題視されています。
動物虐待への懸念があるとして、フォアグラの生産や販売を禁止している国が増えており、フランスのクリスマスの食卓からフォアグラが消える日がくるかもしれません。
メインディッシュ
メインディッシュは、七面鳥やシャポン(Chapon)と呼ばれる去勢鶏、ブレス産の鶏、ホロホロチョウ(Pintade)などの丸焼きがメインディッシュの定番です。
メインディッシュの後は、数種類のチーズがテーブルに並びます。
ワイン
お料理に合わせて美味しいワインも出てきます。
メインディッシュの後のチーズもワインと一緒にいただきます。
デザート
デザートは、みなさんもご存知のビュッシュ・ド・ノエル(Bûche de Noël)。
ビュッシュ・ド・ノエルは「クリスマスの薪(切り株・丸太)」という意味で、薪に見立てたフランスの伝統的なクリスマスケーキです。
厄除けや無病息災などの意味が込められているそうです。
デザートはシャンパンと一緒にいただきます♡
サパン・ド・ノエル(Sapin de Noël)
サパン・ド・ノエルとは、クリスマスツリーのこと。
フランスでは生木のモミの木を飾る家庭が多く、年が明けた1月初旬頃まで飾ります。
1月になると、公園や広場の一角にモミの木専用の回収所が設置されます。
地域によってはもみの木専用の回収日があり、トラックで回収してくれます。
回収されたモミの木は、マルチング材としてリサイクル活用されるそうです。
フランスではサパン・ド・ノエルの下にプレゼントを置きます。
クレッシュ・ド・ノエル(Crèche de Noël)
フランスではクリスマスが近づくと、教会や各家庭でクレッシュ・ド・ノエルを飾る習慣があります。
サパン・ド・ノエルと共にフランスの伝統的なクリスマスに欠かせない飾りです。
イエス・キリストの生誕場面を再現した模型で、プロヴァンス地方の工芸品サントン人形が人気です。
「サントン(Santoùon)」というのは、プロヴァンス語で「小さな聖人」という意味で、良質な土で作られています。
18世紀にマルセイユで生まれ、フランス全土に広まりました。
すべて手作りの一点ものです。
ペール・ノエル(Père Noël)
フランスでは、サンタクロースのことをペール・ノエルと呼びます。
サンタクロースの起源は、子供の守護聖人「聖ニコラ/聖ニコラウス(Saint Nicolas)」と言われています。
フランス北東部やドイツ、オランダ、ベルギー、ルクセンブルク、スイス、オーストリアなどでは、12月6日の聖ニコラの日を家族でお祝いする習慣が残っています。
ペール・フェタール(Père Fouettard)
ところでみなさん、ペール・フェタールをご存知ですか?
ペール・フェタールは「鞭打ちおじさん」という意味で、クリスマスにペール・ノエルと一緒にやって来て、良い子にはペール・ノエルがプレゼントをくれるのに対し、悪い子は鞭で懲らしめると言い伝えられています。
クリスマスプレゼント
日頃お金にはシビアなフランス人ですが、クリスマスは特別で財布の紐も緩みます。
子供だけでなく、大人もプレゼントを交換し合うため、クリスマスツリーの下には大量のプレゼントの山ができます。
フランス人にとってクリスマスは、一年で一番お金を使う時期。
子供がいる家庭では、24日の夜、子供が眠った後にクリスマスツリーの下にプレゼントを置きます。
普段起こしてもなかなか起きない子供達もこの日ばかりは朝早く起きてきて、ツリーの下に山積みにされたプレゼントを開けます。
アドベントカレンダー(Calendrier de l’Avent)
アドベントカレンダーとは、クリスマスまでの24日間をカウントダウンしながら楽しむ特別なカレンダーで、ドイツが発祥の地と言われています。
本来はキリストの到来を待つためのカレンダーでしたが、現在ではクリスマスムードを盛り上げてくれるグッズとして一般家庭に広まっています。
11月に入ると、アドベントカレンダーの特設コーナーが設けられます。
チョコレートやおもちゃなどの子供向けアドベントカレンダーはもちろん、近年は大人向けのアドベントカレンダーもたくさん発売されており、コスメや香水、ワイン、ビール、紅茶など趣向を凝らしたアドベントカレンダーもあります。
マルシェ・ド・ノエル(Marché de Noël)
フランスの12月の風物詩といえば、マルシェ・ド・ノエル。
11月下旬頃からフランス各地で開かれます。
フランスのマルシェ・ド・ノエルで有名なのは、グラン・テスト地域圏のストラスブールとコルマールですが、パリ市内でもチュイルリー公園やノートルダム大聖堂、トロカデロ庭園、サン・ジェルマン・デ・プレ教会、モンマルトルなど数カ所で開催されています。
マルシェ・ド・ノエルの定番「ヴァン・ショー(ホットワイン)」は、寒い冬におすすめです。
クリスマスのお菓子
クリスマスの伝統菓子は、クリスマスを待ちながら少しずつ食べるため、日持ちするものがほとんどです。
フランスでよく食べられる伝統的なクリスマス菓子をご紹介しましょう。
パン・デピス(Pain d’épices)
パン・デピスはフランスの北部で、12月6日の聖ニコラの日に食べる伝統菓子です。
ライ麦粉にハチミツとシナモン、ナツメグ、アニス、クローブなどの香辛料がたっぷり入った焼き菓子で、パウンドケーキタイプとクッキータイプの2種類あります。
しっとりした食感にハチミツの風味とスパイスの香りが楽しめます。
パネトーネ&パンドーロ
イタリアのクリスマスに欠かせない伝統菓子「パネトーネ」と「パンドーロ」は、フランスでも大人気!
本場イタリアからの輸入品のほか、フランスで製造したものもあります。
ミラノ発祥のイタリア伝統菓子「パネトーネ」は、生地の中にアルコール漬けされたレーズンやオレンジピールなどのドライフルーツを入れて焼き上げた発酵菓子パンで、一般的なパンに比べて日持ちします。
イタリア語で「黄金のパン」を意味するパンドーロは、パネトーネと同様の天然酵母「パネトーネ種」を使い、バターと卵の豊かな味わいとふんわり柔らかい食感が特徴です。
12月に入ると、パネトーネとパンドーロがデパートやスーパーマーケットにたくさん並びます。
パピヨット(Papillote)
クリスマスの時期が近づくと、スーパーやパティスリーでパピヨットが並びます。
パピヨットとはリヨン生まれの季節限定のお菓子で、キラキラした金色の紙にチョコレートまたはパット・ドゥ・フリュイ*(Pâte de fruits)が包まれています。
包装紙の中には、メッセージ(格言)の書かれた紙も一緒に入っています。
*パット・ドゥ・フリュイとは、果実と砂糖を煮詰めて固めたゼリーのようなもの
クリスマスの時期になるとアドベントカレンダーと同様に特設コーナーが設けられます。
パリのクリスマスイリュミネーション
毎年11月中旬からパリの街を彩るイリュミネーションが開始します。
ギャラリー・ラファイエットの巨大クリスマスツリーやシャンゼリゼ大通り、モンテーニュ通りなど幻想的な雰囲気に包まれます。
まとめ
フランスと日本ではクリスマスの過ごし方がだいぶ異なりますが、文化や習慣が違っても美味しいものを食べて楽しい気持ちになる日であることには違いありません。
それではみなさま、素敵なクリスマスをお過ごしください。
Joyeux Noël !